日立エナジーは、ドイツの国営送電事業者TransnetBW(トランスネットBW)から、STATCOM(静止型無効電力補償装置)*1とスーパーキャパシタの技術を組み合わせた系統安定化装置「SVC Light Enhanced」2基を受注しました。SVC Light Enhancedは、無効電力を供給するSTATCOM「SVC Light」と、有効電力を貯蔵・瞬時放出するスーパーキャパシタを一つのコンパクトなデバイスに統合したもので、送電網における電圧と周波数を安定的に維持する役割を担います。また、グリッドフォーミング制御*2をはじめとする高度な制御機能が適用されているため、系統におけるさまざまな変動からの影響を低減します。
再生可能エネルギーの導入拡大と従来型発電所の閉鎖が進む中、送電事業者は系統安定化を実現する新たな技術を必要としています。SVC Light Enhancedの導入は、送電事業者が出力変動の大きい再生可能エネルギーによる送電網への影響を抑制するとともに、新たな連系線を設置せずに送電容量を拡大することを可能にします。
日立エナジーは、このたびの受注を通して、トランスネットBWが運用する送電網の安定性と信頼性、電力品質を向上し、ドイツ南西部における1,100万人*3の人々と多くの産業への電力供給およびクリーンエネルギーへの転換を支援します。
*1 電圧変動に応じて無効電力を連続的に変化させ、系統安定化を支援する装置
*2 系統の周波数変動を自律的に小さくする制御機能
*3 2024年2月14日時点 日立エナジー調べ
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「当社は、最先端の技術の提供を通して、クリーンエネルギーへの転換に向けたトランスネットBWの取り組みを支援できることを誇りに思います。電力ネットワークが急速に進化する中、私たちは、カーボンニュートラルなエネルギーの未来に向けたお客さまや各国の取り組みを支援するとともに、将来を見据え変化する送電網の状況に柔軟に適応できるソリューションを提供していきます。」と述べています。
トランスネットBWのCEOであるワーナー・ゲッツは、「このソリューションの導入は、当社が取り組むより安全で信頼性のある系統運用の実現に向けた重要なマイルストーンとなるものです。」と述べています。